サブプライム問題からモノラインショックへ
昨年末にサブプライムローン問題について取り上げましたが、サブプライム問題が浸透してきたところで、新たにmonoline(モノライン)問題が出てきました。
モノラインとは、金融債務のみを対象に保証保険業務を行っている金融保証会社のことで、 金融債務専門会社であるモノラインは、自動車保険や火災保険など他の債務も扱う保険会社のマルチラインとは大きく性質が異なります。
サブプライムローンが破綻した時点で、保証を行わざるを得ないモノラインも大きな影響を受ける事は、以前から分かっていたことです。
格付け機関のフィッチ・レーティングスが1/18に、アメリカの4大モノラインとされるアンバック ・フィナンシャル・グループ傘下のアンバック・アシュアランスの格付けをAAA(トリプルA)から2段階引き下げAA(ダブルA)としたことにより、一気にモノラインに注目が集まりました。
フィッチ・レーティングスが下げした背景には、アンバック・アシュアランスが資本増強に向けた10億ドルの新株発行計画を撤回したことを理由に挙げています。
保険会社の資本不足は起こらない はず
保険会社というのは、保険金支払いが増えたからといって、それまでに十分な保険料を徴収し資本を蓄えており、資本不足に陥る事はまずありません。
生命保険会社は寿命を元に算出される生命表を基準にして保険料を割り出し、損害保険会社は災害が起こる確率を元に保険料を割り出しています。
しかし、近年のアメリカ市場における不動産価格の上昇により、住宅ローンや債券市場における債務不履行率が低い水準で推移してきたことが影響し、モノライン会社は資本を貯蓄するほどの保険料を徴収できていませんでした。
モノラインの格下げが他の債券へ波及
世界中には、トリプルA債券に投資する投資家は沢山いますが、ダブルA債券に投資する投資家の数はトリプルA債券に比べ極端に減ります。
地方自治体やCDO関連会社が発行する、格付けシングルAやダブルAの債券が、トリプルAのモノラインに手数料を払うことにより、その債券はトリプルAとして発行することができました。
格付けトリプルAの会社の保証付き債券は、地方債だろうが、CDO(資産担保証券)だろうが、サブプライム債券であろうが、全てトリプルAで取り扱うことができたのです。
「シングルA・ダブルA債券を、モノラインが保証を付ける事によりトリプルAにできる」というモノラインの根幹を担うビジネスが、モノライン自体の格付けがダブルAになってしまったことにより破綻してしまうのです。
モノラインにとって、自社の格付けがトリプルA格を失う事は市場からの撤退を意味しています。
モノラインの救済措置
モノラインを監督するニューヨーク州保険局のエリック・ディナロ監督官は2/1に、救済策をめぐって金融各社などとの協議に進展があったことを明らかにしています。
また、アムバック・ファイナンシャル・グループの救済に向け、シティグループなど欧米の大手金融機関8社が協議に入ったとも報じられています。
この協議には、米ワコビア、独ドレスナー銀行、仏BNPパリバ、仏ソシエテ・ジェネラル、英ロイヤルバンク・オブ・スコットランド、英バークレイズ、スイスのUBSも加わっているとのことです。
世界恐慌を起こさないために躍起になっている欧米の企業ですが、このままサブプライム&モノラインショックが解消されるとは思えません。
どのようにこの難題を解決していくのかは、頭の良い方々のみぞ知るところですが、日本にとっても対岸の火事では済まされない問題だけに、今後も目が離せません。

