2008/5/17
Filed under: 企業分析, 1- SEO業者 — パシフィカス @ 6:10:27

SEOのアイレップが平成20年9月期の中間決算発表

SEO・SEMのアイレップが今期中間決算を発表しています。

アイレップ 平成20年9月期 中間決算短信(PDF)

(単位:百万円、カッコ内は対前期増減率)
 
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
20年3月中間期
5,385 (39.5)
348 (73.3)
351 (102.9)
190  (92.0)
19年3月中間期
3,860 (86.1)
201 (30.2)
173 (12.5)
99 (11.8)

アイレップの売上高の大部分を占めるインターネット広告事業

特定取引先への高い依存度について 

オーバーチュア株式会社の提供するリスティング広告である「スポンサードサーチ」及びグーグル社の提供する「アドワーズ広告」の取次額(仕入金額)が下表のとおり、多くを占めております。

これら2社との良好な関係の維持に十分留意しておりますが、2社それぞれの事業方針の変更や契約の更新内容、また契約の更新ができなかった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

検索エンジン依存度

アイレップの売上高の半分は、Yahooオーバーチュアの取次収入ということになります。

アイレップ高山社長への依存度

アイレップの通期決算・中間決算資料には毎回、社長の高山氏への依存に関する文面が記載されています。

特定人物への依存について

当社は、代表取締役社長高山雅行が創業以来、経営戦略の決定をはじめ、企画開発、営業、資本政策など当社の事業推進において重要な役割を果たしてまいりました。

当社においては、同氏に過度に依存しない経営体制の構築を進めておりますが、経営体制の構築が想定どおりに機能せず、同氏の業務遂行が困難になった場合、当社の事業戦略及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

社長の高山氏はアイレップの全株式の69%を保有しており、 第二位の博報堂DYメディアパートナーズが3.3%となっています。

アイレップは完全に高山氏の持ち物となっていますが、同氏に依存しない経営体制の構築には、何年の歳月がかかるのでしょうか?

医療・介護業界向けのM&A支援サービス

昨年アイレップは、SEO・SEMのインターネット事業とは異なり、老人ホーム紹介などのシニアマーケティング事業を行う子会社を設立しております。

アイレップ子会社、医療・介護業界向けのM&A支援サービス開始

あいけあは、医療・介護業界向け人材紹介、有料老人ホーム紹介事業、高齢者住宅向けマーケティング支援を行っており、介護業界とのかかわりから培ったノウハウをもとに、介護施設・事業の売却・買収の相談・企画立案から実行の調整、M&A後の組織運営やマーケティングのサポートなどのサービスを提供する。

アイレップは他にも、ハウスメーカー向けの総合住宅展示場サイトを1億円で取得しており、 今期はインターネット広告事業ではない所で大きな動きが見えるのかもしれません。

2008/4/13
Filed under: 企業分析, 1- SEO業者 — パシフィカス @ 8:13:10

セプテーニHLDがSEO業界2位のパワーテクノロジーの株式を取得

セプテーニHLDがパワーテクノロジーを持分法適用会社に

インターネット広告事業を展開するセプテーニホールディングスが、SEOサービス大手のパワーテクノロジーの株式を15.8%取得し、持分法適用関連会社としました。

パワーテクノロジー株式会社の株式取得に関するお知らせ(PDF形式)

【株式取得の背景と目的】

インターネットマーケティング業界においては、近年SEOのニーズが高まっており、その市場規模も急速に拡大しております。

パワーテクノロジーは、高い上位表示力と価格競争力を背景に、SEO業界ではトップクラスの実績を誇っております。

今回の当社による株式取得を機に、SEO分野における当社グループとパワーテクノロジーとの関係は更に強化され、両社の更なるシェア拡大と競争力の強化が期待できると考えております。

セプテーニHの子会社であるセプテーニ・アライアンス・ファンドが既に株式を7%取得していましたので、今回の取得によりセプテーニHグループ全体におけるパワーテクノロジーの持ち株比率は22.8%になります。

パワーテクノロジーの2008年3月期の業績は、売上8億円、経常利益3億円となる見通しで、セプテーニHのSEO事業は年間12~3億円の売り上げ規模となるようです。

業界最大手のフルスピードのSEO事業の売上が18億円ほどですので、一気に差を縮めることになります。

パワーテクノロジーは設立から黒字を続けている優良企業ですが、今回の株式売却により「株式公開が容易になる」、「株式公開時の公募割れリスク回避」などのメリットがあるようです。

パワーテクノロジーがSEO会社として4社目の上場企業となるのか、それともその前にSEOの成長が止まるのか・・・

業績好調なセプテーニホールディングスの1Q

平成20年9月期 第1四半期財務・業績の概況(PDF形式)

モバイル広告やウェブサイト等の制作、SEOなどのネット広告事業が好調のようで、売上の伸びは大した事ありませんが、人件費を中心とする販売管理費が抑制され営業利益が大幅に伸びている点は好感がもてます。

コンテンツ配信やメール配信ASPなどのインターネット関連事業は、売上は好調ですが広告宣伝費を中心に販売管理費が増加したことにより営業利益が大幅に減少しています。

DM事業が競争激化で不調ですが、それ以外は好調と言えるのではないでしょうか。営業投資有価証券が1億ほど増えていますがどこに投資しているんでしょうかね。

セプテーニは四半期決算とは別に、月次売上報告も行っており投資しやすい企業と言えますが、月次報告をしている企業が全て優良企業というわけでもありません。不動産のフージャースみたいに月次発表しているのに株価放置で月次中止とかもあるわけで。

2008年3月には「着うたフル」で有名なモバイル関連子会社のアクセルマークも、マザーズ市場に上場しています。

あと、ググっても情報が出てこないのですが、セプテーニHの株式を16.3%保有し筆頭株主となっているビレッジセブンって何者なのでしょうか?

SEO業界の発展とSEO業者の多角経営化

セプテーニHはSEO業界の今後の成長性を見込み、今回の株式取得に踏み切ったようですが、昨日書いたとおり業界No.1のフルスピードは多角経営へ向け動き出そうとしています。

昨年サイバーエージェントのSEO子会社として設立されたCAテクノロジーは業績好調のようで、現在のSEO市場は後発企業でも十分利益を上げられる状態ではあるようです。

SEO市場は今後も急成長を続けるのか、はたまた既にパイの奪い合いになっているのかは、神のみぞ知るといったところでしょうが、SEO・SEM企業は二極化が進んでいることは間違いありません。

2008/4/12
Filed under: 企業分析, 1- SEO業者 — パシフィカス @ 7:36:14

SEO、SEMのフルスピード、ISP買収と40億円分の新株予約権

フルスピードが大規模ファイナンスと子会社設立

4/9にSEO&SEM企業のフルスピードがIRを連発しています。

つっこみどころ満載な気がしますが、読んでいて頭が痛くなってきたので、私の知識でできる限り簡単にまとめてみます。 

人材事業マーケティング子会社設立

株式会社フルスピードキャリア

当社がこれまで蓄積してきたSEM をはじめとするWeb マーケティングノウハウを有効に活用し、インターネットによる集客が重要な役割を持つ人材ビジネスの領域において事業展開を図ることを主な目的としております。

当該子会社では、SEM ノウハウに加え、転職コミュニティ等人材ビジネス関連サイトの運営実績を通じて蓄積したノウハウも活用することで、人材ビジネスを展開する企業ならびに求人企業を対象とする事業モデルを構築し、積極的な事業展開に努めてまいります。

簡単に言うと良くありがちな、求人企業に登録人材を紹介または派遣する事業ということですかね。  

今まで培ってきたノウハウを活用し人材ビジネスに乗り出すとのことですが、本当にノウハウがあるのでしょうか。 

ISP(インターネットサービスプロバイダー)の買収

当社は、平成20 年4月9日開催の取締役会において、株式会社ベッコアメ・インターネットの株式を取得し、子会社化することを決議いたしました。

ベッコアメは前述のとおり、日本のインターネットサービスにおけるパイオニアとして高い知名度を有し、業界における当社の知名度および信用力の向上に大きく貢献するものと認識しております。

取得価格については、6~7億円を目安として交渉中であり、デュー・ディリジェンス後の株式譲渡契約によって確定する予定でございます。

ベッコアメ・インターネットがISPとして高い知名度を有している旨の記述が2回ほど出てきますが、ベッコアメって初めて聞いたんですけど・・・

上場企業ではないので細かいPLやBSは発見できませんでした。IR資料によると平成19年3月期が4,900万円の赤字ですが、19億円の総資産で10億円の純資産があるそうです。

新株予約権(第三者割当て)の発行

今回の大本命であるメリルリンチ日本証券当ての12,000株の新株予約権の発行です。

ライブドアの錬金術で有名になったMSCB(転換価格下方修正条項付き転換社債)とは異なり、発行株式数の12,000株が固定であるため、希薄化が限定されていることを何度も強調して仰っております。

しかし、発行要項に行使価額の修正なるものがあります。

本新株予約権の行使に際して出資される当社普通株式1株当りの行使価額」は、当初331,100 円とする。

【行使価額の修正】
本新株予約権の各行使請求の効力発生日の前取引日の東京証券取引所における当社普通株式の普通取引の終値の90%に相当する金額に修正される。

要するに、発行する株式数は一定なので、株価が下がれば下がるほど、調達できる資金が減るということでしょうか。まぁ増加の可能性もありますが。

株価下落により調達資金が大幅に減った場合には、再度新株を発行したりする裏技もあるのか?

資金調達の目的

  1. 主力事業であるSEOおよびリスティング広告事業を更に成長させるために必要な新規広告システム等の開発費用、人材の採用教育費用ならびに本事業の増強を目的とした事業投資等、既存の事業拡大に係る投資資金
  2. サービスメニューの拡充、より一層充実した事業推進を行うため機能補完を目的に、既存事業との相乗効果の期待できるサイト買収ならびに事業投資等、当社の成長戦略に必要となる事業拡大に係る資金

1のうち開発資金として1億円、人材関連費用として1億円、投資資金として3億円、2の目的で35 億円程度を予定しているとのこと。

今のままでは成長性に限りがあるのでM&Aを積極的に行い、事業拡大を図りたいということのようです。

フルスピードの株価とIR後の市場の反応

フルスピードは上場時83万円の初値(公募価格51万円)を付け、上場直後は30万円まで下げましたが、その後急上昇し一時199万円をつける場面もありました。

現在の株価は259,000円(5分割済)で、個人的にはまだまだ割高と感じています。

ファイナンスIR後の株価はというと、多少下落が見られたものの地合の影響によるものとも判断でき、出来高も増えることなく、今のところ様子見といった所でしょうか。

株式の希薄化はあるが単純なMSCBとは異なるので、資金を上手く使い事業拡大が成功すれば・・・という期待感もあるようです。

今回のファイナンスが成功するかどうかは1、2年後のお楽しみってとこかな。

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