リンクの否認ツールの使い方 – バックリンク無効化ツールが登場

不自然リンク警告を貰った場合、今までに付けた黒いリンクを削除して再審査リクエストを行なうのが通常の手順ですが、どうしても削除できないリンクというのもあると思います。

そういったリンクがある場合、削除できない理由や削除するためにやった事の詳細を記して、再審査リクエストすることになりますが、今回、削除できないリンクを無効化してもら為にGoogleにお願いするツールが登場しました。今か今かと待っていた方も多いと思いますが、pubconのタイミングでしたね。

ただ、想像していたようなツールとは全く違うものでした・・・

サイトへの不自然なリンクを否認する新しいツールの提供を開始しました

この新しいツールは、サイトへの不自然なリンクを理由に手動によるスパム対策が実施されているというメッセージが Google から届いた際に、ウェブマスター向けガイドライン違反となる箇所の違反状態を解消するためにお使いいただけます。サイトへの不自然なリンクに関するメッ セージが届いていない場合は、このツールを使う必要はありません。

もし、疑わしいリンクの削除を可能な限り行ったにもかかわらず、なお削除ができないリンクが残ってしまっている場合は、今回提供を開始した「リンクの否認」ツールの利用を検討してみてください。

あくまで、使用用途としては、「ウェブマスターツールに不正リンク警告が届いて、削除することができなかったリンクがあり、それを無効化して欲しいサイトに使う」ということです。不正リンクを削除して再審査リクエストを送るという流れは変わりません。

現在、pubconというイベントが開催されており、その中で今回のツールが発表されたようですが、その時のマット・カッツさんのコメントを海外SEOの鈴木さんが紹介しています。

マット・カッツの基調講演

  • 本当に必要な時だけ使うこと
  • 自分で削除可能なリンクはすべて削除する
  • テキストファイルでアップロードする
  • ドメイン全体のリンクを無効化する時はドメインを指定する
  • 強い提案としてGoogleは処理する(必ず従う命令ではないということ)
  • ほとんどのサイトは使うべきでない
  • robots.txtのようにテキストファイルを使う
  • 効果が出るまで数週間かかる
  • 無効化ツールを使っても再審査リクエストは必要

公式ブログやマットさんの発言を見る限り、今まで不自然リンク警告の対処法として行なっていた、削除できないリンクのGoogleドキュメントなどによる提示と何が違うのか良くわかりませんが、「Googleへの強い提案」という部分が大きいのでしょうか。

提案といっても基本的にはそこに書かれたURLからのリンクは無効化され、何か問題があるような場合には、無効化しないこともあるという感じなのかなと思います。無効化処理が自動的に行われているような気もしますが、そこはわかりません。

注意すべき点は、今までどおり不正リンクをできる限り削除して、それでも削除できないリンクをGoogleに報告するということです。怖いのは、不正リンク警告を受けていないようなサイトで、「必要なリンクを無効化してしまうこと」です。これだけは避けなければなりません。

リンクの否認ツールの使い方

  1. 無効化したいリンクの一覧をテキストファイル(.txt)で作る
  2. 否認ツールでテキストファイルをアップする
  3. 2~3日経ったら再審査リクエストを送る

簡単な手順はこんな感じです。テキストファイルのファイル名は何でも良いようです。リンクの否認に関するヘルプは「バックリンクの非承認」で確認できます。

無効化したいリンクの一覧を作る時にはウェブマスターツールのサイトへのリンクが役に立ちます。

トラフィック ⇒ サイトへのリンク

「リンク数の最も多いリンク元」や「最も多くリンクされているコンテンツ」の詳細などをクリックします。

ドメインごと無効化したい場合は、ここに表示されているドメインをテキストファイルに書けばOKですが、個別のリンクを指定する時はそのURLを特定します。表示されたドメインをクリックするとリンク元にたどり着くことができます。

この中から不要なリンクをテキストファイルに羅列していきます。

「このテーブルをダウンロード」、「その他のサンプルをダウンロードする」、「最新のリンクをダウンロードする」とありますが、どれを使ってもOKです。

要するに、無効化したいリンクを特定できればいいので、ウェブマスターツール以外の他の被リンクチェックツールを使ってもOKです。ウェブマスターツールで全てのリンクが表示されているわけではありませんしね。

テキストファイルの中身

# spamdomain1.com のオーナーに 2012 年 7 月 1 日にリンクの削除を依頼。しかし返事が得られなかった。
domain:spamdomain1.com
# spamdomain2.com のオーナーはほとんどのリンクの削除に応じてくれたが、一部削除できていないリンクが残っている。以下がその一覧。
http://www.spamdomain2.com/contentA.html
http://www.spamdomain2.com/contentB.html
http://www.spamdomain2.com/contentC.html

公式ブログに載っているテキストファイルの書き方の例です。(個別URLの下に不要な空白がありますが、当ブログの仕様です。すみません。)

ドメインを指定する時は、頭に「domain:」を付けてドメイン名を記述し、個別のURLはそのまま記述します。

削除できなかった理由を記したコメントに何の意味があるのかわかりませんが、Googleの中の人が目視チェックする時にわかりやすいようにということなのでしょう。(追記:Q&Aを見ると、コメントは自分の参照用とのことなので、必要ない場合は書かなくても大丈夫です。)

ファイル名は何でも良いようですが、保存する際の文字コードはUTF-8 が推奨されています。

無効化してもらいたいリンクリストが完成したら、否認ツールでファイルをアップします。

否認ツールでテキストファイルをアップ

否認ツールにアクセスし、作成したテキストファイルをアップします。

ドメインを選択肢、「非承認のリンク」をクリックします。

「リンクの非承認」をクリックします。この非承認のリンクという表現が、そのうち「リンクの否認」に変わるのかもしれません。

「これは高度な機能なので、慎重に使用する必要があります。使い方を間違えると、Google 検索結果でのサイトのパフォーマンスに悪影響が及ぶ可能性があります。ご自分のサイトに対して、スパム行為のあるリンク、人為的リンク、品質が低いリンクが数多くあり、それが問題を引き起こしていると確信した場合にのみ、バックリンクを非承認とすることをおすすめします。」

という警告メッセージがあるように、使い方を間違えると大変なことになるかもしれないので注意しましょう。何度も言いますが、あくまで無効化したいリンクのみをGoogleに伝えることになります。

「ファイルを選択」で作成したテキストファイルを選択し「送信」をクリックします。

「次のファイルには非承認のリンクのリストが含まれています。リストを編集するには [ダウンロード] をクリックしてください。」と表示されれば作業は完了です。最後に「完了」をクリックして画面を閉じて天に祈ります。

送信したファイルをダウンロードして編集しなおして再送信したり、削除することも可能です。間違えて送信してしまっても削除すればOKですが、遊びで使うのはやめた方が良いでしょう。

テキストファイルのアップが完了し、2~3日経過したら再審査リクエストを送信します。どういった文章を書けば良いのかわかりませんが、無効化ツールでファイルをアップした事を伝えて、あとは思いのたけを込めればOKでしょう。

ペンギンに捕獲されたサイトはどうなるの?という事ですが、現時点では良くわかりません。ペンギンアルゴはリンクの無効化という話もありますので、既に無効化されたリンクを報告する必要はないのかもしれません。ただ、リンクが全くないであろう状態よりも酷いことになっているサイトもあるので解せない部分も あります・・・・話がそれましたが、今回のツールは今のところペンギンとは関係ないようです。

あと、有料リンクや大量の自演リンクを行い、ペナったら否認ツールで無効化して、またリンクを追加して、ペナったらまた否認ツールで・・・とかやってると当然Googleは、もうそのドメインは立ち直れなくなるような重いペナルティを与える可能性があります。

【追記 2012/10/17 14:15】
SEMリサーチさんがQ&A部分の一部翻訳をしてくれています。

米Google、「リンクの否認」ツールを公開 – 特定リンクを無視するよう要請できる機能を追加

Q) 予防対策としてリンクリストは作っておいたほうがいい?まだGoogleから通知受けてないけど。
A) もしペンギンアップデートの影響を受けていて、それがスパムや低品質リンクと疑うのであれば、バックリンクを調べてみて、Googleガイドラインに違反したリンクビルディングスキームを実施していたらツール使ってもよいでしょう。

1. ペンギンアップデートの影響を受けていて、不正なリンクが1つの原因と考えられるのであればこのツールを使ってもよいとのこと。ペンギンアップデートにより検索順位変動を受けている場合、Googleから不自然リンクを指摘する通知は届いていないので、予防策として本ツールを使ってもよい、と。なるほどな。

ペンギンの影響を受けているサイトの多くが、不正なリンクが原因になっているでしょうから、ペンギンの予防策として否認ツールを使っても良いということのようですね。それでペンギンから解放されるのかはやってみないとわかりませんが。

【追記 2012/10/19 4:50】
海外SEOの鈴木さんがパブコンで否認ツールに関して重要なコメントをしています。

Disavow linkツール(リンクの否認ツール)についてブログやヘルプに書いてないこと

  • 再審査リクエスト前のリンクの削除は必要。「Disavow linksツールですべて否認します」は通用しない。
  • いったん否認したリンクを元に戻す(リストから削除する)とそのリンクの評価は以前より下がる。
  • 再審査リクエストにはDisavow linksツールを使ったことも書くといい。
  • 再クロール、再インデックスが必要なので効果が出るには数週間かかる。
  • 再審査リクエストは、ツールを利用して2、3日待ってから送った方がいい。
  • 不自然リンク警告を受けたときや明らかにそのリンクで悪影響を受けていると確信できるときだけに利用する。

削除できるリンクは削除しないといけないということや、否認リンクで申請したリンクを元に戻したとしても以前より評価が落ちる、再審査リクエストは2~3日待ってから行うというのは重要なポイントですね。

【追記 2012/10/26】
公式ブログで否認ツールのに関するQ&A部分の翻訳記事が公開されました。

リンクの否認ツールQ&A のご紹介


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