古くなったSEOと重複する部分もあるのですが、多くのSEOサイトで「効果がある」または「ペナルティになる」と言われている施策の中にも懐疑的なものは数多く存在します。明確な答えがないSEO対策では、色々なサイトで言われることにより、間違った知識でも正しい(であろう)知識として広まってしまうケースがあります。
まぁこれはSEOに限った話ではなく、マイナスイオンやゲルマニウムのように何の根拠もない事でも、お金の匂いを嗅ぎつけた企業がユーザをコントロールしようとする事は良くある事です。SEOに関して言えば、結局その情報が正しいかどうかは自ら実践して判断すべきですが、ガセ情報に踊らされ体力・財力を浪費することが無いように、可能な限り実施前に調べる必要があります。
昨年もSEOの都市伝説としてテクニック編とスパム編を投稿したのですが、その後の経験で実感した事と新たな怪しいテクニックをまとめて紹介します。
SEOテクニック
HTMLのバージョンや文字コードの選択
(X)HTMLのバージョンや文字コードの違いがSEOに影響を与えることはありません。XHTML1.0、1.1でもHTML4.0でもSEOの面で特に違いはありません。
HTML5が主流となり、その後HTML6となるとXHTMLって何だったの?という事になりますが、世の中そんなもんですかね。(W3CがXHTML 2の策定打ち切りを決定、HTML 5の標準化に注力へ)
文字コード(UTF-8、EUC-JP、Shift_JIS)に関しては、日本でもUTF-8が主流になりつつありますが、どれを選んでも検索順位には影響を与えません。また、サイト内で文字コードが混在していても特に問題はありません。
正しいHTMLとCSSレイアウト
W3Cに準拠した正しい(X)HTMLの記述やCSSレイアウトは、SEOに有利に働くという事も良く言われていました。 しかし、正しい(X)HTML+CSSレイアウトでホームページ制作しても、それだけでプラス評価になるわけではありません。
Another HTMLで100点を取ることに躍起になっている方もいるのかもしれませんが、metaやhxタグの閉じ忘れなど明らかに直した方が良いもの以外は、あまり気にしなくても良いでしょう。
ディレクトリ構造
全てのページに対しディレクトリを作成したり、逆に一切ディレクトリ分けをしない事によりプラス評価を受けるという話を聞いたことがある方も多いと思いますが、SEO目的でディレクトリを作る必要はありません。
数十ページ以上あるのにディレクトリ分けされていないのは不自然ですし、ディレクトリ内にindex.htmlしかないのもやはり不自然です。ページ数や管理のしやすさに合わせ適宜フォルダを作成すれば良いでしょう。
また、ディレクトリ階層の深さもランキングとは直接的な関係はありません。(ディレクトリ階層とSEOの関係)
内部リンクの絶対パス指定
内部リンクをhttpから始まる絶対パスで指定すると、相対パスで指定したときよりもリンク評価が高くなるというSEOテクニックも一時期良く言われていました。私も実行していた時がありますが、効果を確認出来たことはありません。
「index.htmlありなしやwwwありなし」の問題とは異なり、URLの指定方法は絶対・相対どちらでも構いません。サイト内で絶対・相対が混在しても特に問題は無いでしょう。
ドメイン
トップレベルドメイン(jp、com、org、netなど)の違いが検索順位に影響を与える事はありません。どのTLDを選んでも問題はありませんので、好きなものを選びましょう。日本語圏だからjpドメインが評価されるという事もありません。
.govや.eduが優遇措置を取られているという様な情報もありますが、個人や一般企業が取得できるドメインではなく、そこからのリンクを得ることもまず不可能ですから気にする必要は無いでしょう。
ターゲットキーワードが英語やローマ字であれば別ですが、ドメイン名にキーワードを含ませることによるSEOも日本語圏では意味が無いと言えるでしょう。
IP分散による被リンク効果
IP分散被リンクによるSEOは定期的に取り上げられる話題ですが、その効果も懐疑的です。IP分散されていてもそのサイト自体に中身が無ければ被リンク効果は期待できないでしょう。IP分散されていなくてもそのドメインに価値があれば被リンク効果は期待できるでしょう。
後述する被リンクペナルティ同様、自演リンクや有料リンクによるSEOに頼り切っている方は、根本的な考え方を変えた方が良いでしょう。
ブログからのリンク評価
ブログから張られたリンクは検索エンジンからの評価が低いから、他ブログからリンクを得たり、サテライトブログ作ってリンクを張ってもSEO効果がないという意見を見かけますがそんなことはありません。
有料リンクなどで使用されるようなゴミブログからのリンクと、質の良いリンクを集めているオーソリティブログからのリンクを同等に扱ってはいけません。
検索エンジンはブログが否かを判断しリンクに優劣を付けているわけではなく、リンク元のサイト(ブログ)に価値があるかを見てリンク価値を判断していると考えられます。例え無料ブログであってもそのブログ自体の評価が高く、リンク先とサイトテーマが一致し、適切なアンカーテキストになっていればそのリンクには価値があると言えます。
ペナルティを受けると言われるSEO対策
見出し(hxタグ)のフォントサイズや使用回数
h1のフォントサイズを小さくするとスパムになると言うことも以前は良く言われていましたが、そんなことはありません。人間が読めないほどにまで小さくすることは隠しテキスト同様スパム行為ですが、デザインにあわせ大きさを変えることは問題ありません。
また、hxタグを何回以上使うとペナルティを受けるという事もありません。キーワードを詰め込むために意図的に複数回使用すればマイナス効果を生む可能性はありますが、見出しタグはいくつが最適かという視点ではなく、そのページの文章量や内容に合わせ決定すべきです。
CSSの画像置き換え
CSSの画像置き換えとは、見栄えを良くする為に、CSSで背景画像を設定し、テキストをdisplay:noneなどで隠すテクニックです。置き換えた画像と記述したテキストの関係でペナルティを受ける可能性はありますが、画像置換え自体がスパムになるというわけではありません。
検索エンジンは画像に書かれている文字が読めません。という事は画像と置き換えられたテキストに関するペナルティ判定は目視により行われているという事です。明らかなスパム行為が見過ごされている事を考えると、画像置換えに限らずペナルティ判定の多くは手動で行われているという事なのでしょう。
スクロールバー付きのBOX
スクロールバー付きのBOXを設置し、BOX内にテキストリンクを羅列する事はスパム行為になると考えている方もいると思いますが、適切な使い方であれば問題ありません。過去にBOXリンクによりサイバーエージェントグループのサイトが一斉にペナルティを受けたことがありましたが、あれはちょっと特殊なケースです。
高さ固定のBOXを設置する目的が多くの外部リンクを張る事であれば問題ですが、適切な高さがあり設置することがユーザの利点になっていれば特に問題はありません。
重複コンテンツやミラーサイト
重複コンテンツとは全く同じページが複数のURLで存在している状態の事です。広義では他サイトで展開される重複コンテンツも含みミラーページやコピーページ、複製ページなどとも呼ばれています。全く同じページでなくても一部のキーワードのみを変更したページでも重複コンテンツとして認識される可能性があります。
基本的に重複コンテンツと認識されたページはインデックスから消去されますが、インデックスから削除された訳ではなくペナルティとは異なります。
被リンクの量産やスパムサイトからの被リンク
被リンク量産によるペナルティはSEO中上級者の間でも賛否両論ありますが、私は否定派です。これについては後日、無料SEO対策で触れる予定です。同じく有料リンク(リンク急増)によるペナルティも今のところ確認できません。(Googleの自爆を除く)
Yahooにおいては被リンクペナルティが採用されているという事を良く見聞きします。しかし、他人に大量にリンクを張られて検索順位が下がったという事は聞いたことがありません。また、他のページの順位を上げる事により結果的に上位にいたページの順位を下げるやっちまった系のSEOサービスはありますが、ライバルサイトを蹴落とすSEOサービスも見当たりません。
被リンクペナルティを気にしている人は、自演リンクをやめればその問題も自ずと解決する事でしょう。
例え被リンクペナルティが今後採用されるとしても、困るのは自演リンクで頑張っているサイトやリンクを販売している業者です。コンテンツ重視でナチュラルリンクを獲得できているサイトは特に影響を受けないばかりか、スパムサイトがランクダウンする事によるランクアップが期待できます。
ただ、被リンクペナルティが採用され、まともなサイトが第三者の手によってランクダウンさせられてしまう様な検索エンジンはいずれ崩壊するでしょう。
まとめ
SEOスペシャリストの発言であれ、オーソリティサイトで書かれていた内容であれ、全て正しいとは限りません。この世に一つとして全く同じ状況のサイトは存在しないわけで、同じ事をやったからといって同じ様な効果が期待できるとも限りません。
このSEOブログで何度も申し上げている事ですが、どこから得た情報であってもそのまま鵜呑みにしてはいけません。冒頭でも述べましたが、効果が無いと分かっていても発信者が意図的に流す情報もあるという事を忘れてはいけません。
その情報が正しいか正しくないかを判断するのはあなた自身です。もちろんこのブログの情報も含めて。